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2022/12/23 原子力規制委員会が原発の60年超運転を可能にする 安全規制の見直し案を了承したことに抗議しその撤回を求める抗議文を提出

 原子力規制委員会は2022年12月21日の定例会合において、原発の60年を超える長期運転を可能にする安全規制の見直し案を了承しました。

 12月23日、当会は原子力規制委員会に対し、見直し案を了承したことに抗議しその撤回を求める抗議文を提出しました。


原子力規制委員会が原発の60年超運転を可能にする

安全規制の見直し案を了承したことに抗議しその撤回を求めます

 

 

2022年12月23日

原子力規制委員会

委員長 山中伸介様

泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会
代表 市川守弘

 

 原子力規制委員会が12月21日の定例会合において、原発の60年を超える長期運転を可能にする安全規制の見直し案を了承したことに抗議しその撤回を求めます。
 政府がGX実行会議において原発の運転期間の延長を盛り込んだ政府方針案を決定する直前に安全規制の見直し案を了承したことは、岸田政権の性急な原発推進政策への大転換を無批判に受け入れるばかりか積極的に後押しするものであり、福島原発事故から得た教訓を蔑ろにし、原子力規制委員会設置法第3条に謳われた、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全に資するという任務を、規制委員会自ら放棄するものです。

 2011年の東京電力福島原発事故の際、第一原発1号炉は運転開始40年を目前にし、運転継続のための審査に合格したばかりであったにもかかわらず過酷事故に至りました。この事故の教訓として、2012年の原子炉等規制法の改定で「原則40年、最長60年」という稼働制限期間が定められました。また原発推進官庁である経産省が安全審査をすることが過酷事故の要因となった反省から原子力規制委員会が作られ、安全審査は原子力規制委員会の所管となりました。しかし今、私たちが目にしているように、規制を任務とするはずである規制委が、推進官庁である経産省と手をとりあって原発運転期間延長に突き進むなら、私たちはリスクの高い老朽原発がなし崩し的に動き続ける事態に直面することになります。

 また、原発を動かせば動かしただけ「死の灰」が生まれ、「核のゴミ」が増えます。「核のゴミ」処分場建設のための調査が、北海道知事および道民の同意なく進められている北海道の住民にとって、原発の運転期間延長を後押しする規制委員会の姿勢は、とうてい受け入れることができません。

 私たちは、東京電力福島第一原発事故への反省をかなぐり捨て、原発の60年を超える長期運転を可能にする安全規制の見直し案を了承して、岸田政権の性急な原発推進政策への大転換を後押ししようとする規制委員会に対し、怒りをもって抗議しその撤回を求めます。

 

以上