2024年12月13日付で、「道民の総意」の表れである「核抜き条例」を理由に寿都と神恵内における高レベル放射性廃棄物の処分地選定に向けた概要調査に反対する鈴木直道北海道知事のこの間の一貫した発言を信頼し、今後も強く支持していくことを伝える手紙を送付しました。
鈴木知事の「受け入れ難い」発言への支持を伝える手紙
2024年12月13日
北海道知事 鈴木直道様
泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会
代表 市川守弘
鈴木直道北海道知事の「受け入れ難い」発言は道民の希望です
拝啓
北海道知事鈴木直道様、日ごろ道民の命と暮らしを守るために奮闘されていることに深甚の感謝と敬意を表します。
原子力発電環境整備機構(NUMO)が11月22日に寿都町及び神恵内村に係る文献調査報告書を公表しました。これを受けて私たちは、特に10月に岡村聡北海道教育大名誉教授らが火山学会に発表された、寿都町の「磯谷溶岩」が第四紀火山であるとの学術的新知見に対し、何らの考慮もしない無責任なすすめ方に関して、武藤容治経済産業大臣及び山口彰NUMO理事長に対し抗議文を送りました。この抗議文は、4年余りにわたり行われてきた文献調査から、次の段階の概要調査へ移行しようとする手法があまりにも強引で且つ非民主主義的であることにより発したものです。
NUMOはこの夏以降文献調査報告書の公表時期を明確に国民に示してきませんでしたが、なぜか「磯谷溶岩」が第四紀火山の可能性があることが10月に学会発表されるや、報告書の公表を決定しました。そのため、岡村新知見は文献化されていない口頭発表によるものとして一顧だにされることなく、今回の報告書には盛り込まれませんでした。概要調査段階の課題に無理やり先送りする為の11月の公表であったことは明らかです。因みに報告書の“はじめに”には今年2月に公表された報告書(案)にはなかった記述-「特に広域的な現象である活断層や火山などの影響については、基本的に概要調査段階で把握し」が書き加えられており、判断を概要調査に先送りしたことを正当化しています。果たしてこれが、北海道民の安全安心に関わる報告書と言えるのでしょうか。
NUMOの拙速かつ不誠実極まりない対応は、鈴木知事がこの間一貫して核ゴミに対する考え方の根拠とされている「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」(「核抜き条例」)をまったく無視し続けている事にも表れています。
2020年に寿都町長がNUMOによる文献調査に応募の意思を示した時点から、鈴木知事は繰り返し「核抜き条例」を根拠にして「受け入れ難い」「拙速である」「広く北海道民の意見を考慮すべき」と発言されるとともに、国の手法に対しては「頬を札束でたたくやり方」と厳しく批判されてきました。そして今回の文献調査の報告を受けて、あらためて概要調査への移行について反対の意思を表明されました。
この間北海道議会において与党会派の一部議員が、公然と「道民の総意」である「核抜き条例」を根拠とする鈴木知事の発言を批判しています。しかし、概要調査への反対姿勢を貫く鈴木知事を道民である私たちの7割以上が支持している〈北海道新聞世論調査4月5日~7日より〉ことを考えると、極めて不穏当な発言と言えます。私たちは、「道民の総意」の表れである「核抜き条例」についての鈴木知事のこの間の一貫した発言を信頼し、今後も強く支持していくことをここにお伝えするものです。
鈴木知事のご健康とさらなるご活躍を祈念いたします。
敬具