2024年12月23日付で、経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)に対し、道民の異議申し立てを無視した一方的な文献調査報告書説明会の進め方に抗議し、これまで各会場で道民が発した質問票の取り扱いと今後の説明会の進め方に関して改善を要請する文書を提出しました。
文書の提出後、12月24日に記者会見を行いました。
経済産業省宛の抗議・要請文
2024年12月23日
経済産業大臣 武藤容治 様
泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会
代表 市川守弘
道民の異議申し立てを無視した一方的な寿都町・神恵内村における文献調査報告書説明会の進め方に関してNUMOを指導する責務を有する貴省に抗議し、これまで各会場で道民が発した質問票の取り扱いと今後の説明会の進め方について、私たちが要請する5点の実行をNUMOに求めることを要請します
原子力発電環境整備機構(NUMO)は本年11月22日に、岡村聡北海道教育大学名誉教授らが日本火山学会(10月)に発表した寿都町の「磯谷溶岩」が第四紀火山であるとの学術的新知見などに対してなんらの考慮も行わないまま、寿都町・神恵内村における文献調査報告書を公表しました。またNUMOは報告書公表からわずか1週間後の11月30日に寿都町での説明会を行い、今後の道内での説明を2025年2月19日までとし、3月5日まで報告書に対する意見を受け付けるとしました。
NUMOが当初「2年程度」としながら4年もかけた膨大な報告書を、道民がたった1週間から2カ月間で読み解き、理解し納得できると考えているなら、それは極めて非常識であり、道民が理解し納得する必要などないと考えているなら、極めて不遜な態度とやり方です。
貴省担当者も主催者側として回答を行った文献調査報告書説明会では、口頭での質問は一切許されず、質問や意見を質問票に書き込ませ、集めた質問票をNUMOおよび貴省の担当者が都合のいいように選別して回答する形式がとられています。また回答は一部の質問に対してにとどまり、回答できなかった質問への回答は後日NUMOのホームぺージに掲載するとしていますが、掲載の時期も明らかにされていません。
これまで説明会が行われた会場からは直接の質疑応答を求める声が多数あがりましたが、挙手をして発言しようとした道民に対しNUMO職員が発言者の前後に立ちふさがり、あるいは挙手をして行った発言にかぶせて平然とアナウンスを行うという失礼極まりない対応をとり続けました。また受付で報告書の要約書の配布を求めた道民がいたにもかかわらず拒否しました。貴省およびNUMOが本当に道民の信頼を得ようと考えているのか疑問を持たざるを得ません。
そもそも北海道には核のごみを持ち込ませないという道民の意思を表した「特定放射性廃棄物に関する北海道条例」があり、鈴木直道北海道知事も道条例を根拠に一貫して調査反対の意思を表してきました。それにもかかわらずNUMOが寿都町と神恵内村で文献調査を開始したことに私たち道民は強く憤っています。この間、私たち道民は文献調査についての意見を求められることが一切ありませんでした。多くの道民が、文献調査報告書説明会において初めて、この文献調査についての疑問を、直接貴省とNUMOに問うことができると考えたことは、多くの道民が厳冬期で凍結して滑りやすい道を歩き各会場に参加したことからも明らかです。それに対し貴省とNUMOが道民との双方向的なコミュニケーションを頭から拒否する態度をとりつづけていることに強く抗議し、貴省に対し下記の5点についての実行をNUMOに求めるよう要請します。
記
- 説明会において口頭での質問時間を確保すること。その際、十分な時間を確保し、再質問を可能とすること。
- 参加者があらかじめ、質問を書いて持参したものの提出を認めること。
- これまで説明会で道民から出された質問に、手を加えることなくそのまま公表し、それに対する回答を行うこと。質問を転記せずにそのままPDF等の形にしたものも併せて公表し、質問が改変されていないことを誰でも確認できるようにすること。北海道知事と寿都町長、神恵内村長に提出する質問も同様の形とすること。
- 3の公表を速やかに行うこと。遅くとも2025年1月8日までにNUMOホームページ及びこれまで説明会が行われた自治体、及びこれから説明会が行われる自治体の庁舎において誰でも見ることができるようにすること。
- 説明会場では「最終処分法施行規則」(説明会等の開催)第九条5一「要約書を求めに応じて提供することを周知した後、要約書を求めに応じて提供すること」に則り、文献調査報告書の要約書を参加者に配布すること。
以上
なお、ご多忙とは存じますが、以上の要請へのご回答を同封の返信用封筒かメール添付にて2025年1月6日までにご送付いただきたくお願い致します。
NUMO宛の抗議・要請文
2024年12月23日
原子力発電環境整備機構
理事長 山口 彰 様
泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会
代表 市川守弘
道民の異議申し立てを無視した一方的な文献調査報告書説明会の進め方に抗議し、これまで各会場で道民が発した質問票の取り扱いと今後の説明会の進め方に関し5点についての実行を要請します
貴機構は本年11月22日に、岡村聡北海道教育大学名誉教授らが日本火山学会(10月)に発表した寿都町の「磯谷溶岩」が第四紀火山であるとの学術的新知見などに対してなんらの考慮も行わないまま、寿都町・神恵内村における文献調査報告書を公表しました。また、貴機構は報告書公表からわずか1週間後の11月30日に寿都町での説明会を行い、今後の道内での説明を2025年2月19日までとし、3月5日まで報告書に対する意見を受け付けるとしました。
貴機構が当初「2年程度」としながら4年もかけた膨大な報告書を、道民がたった1週間から2カ月間で読み解き、理解し納得できると考えているなら、それは極めて非常識であり、道民が理解し納得する必要などないと考えているなら、極めて不遜な態度とやり方です。
貴機構による文献調査報告書説明会では、口頭での質問は一切許されず、質問や意見を質問票に書き込ませ、集めた質問票を貴機構の担当者が都合のいいように選別して回答する形式がとられています。また回答は一部の質問に対してにとどまり、回答できなかった質問への回答は後日貴機構のホームぺージに掲載するとしていますが、掲載の時期も明らかにされていません。
これまで説明会が行われた会場からは直接の質疑応答を求める声が多数あがりましたが、挙手をして発言しようとした道民に対し貴機構職員が発言者の前後に立ちふさがり、あるいは挙手をして行った発言にかぶせて平然とアナウンスを行うという失礼極まりない対応をとり続けました。また受付で報告書の要約書の配布を求めた道民がいたにもかかわらず拒否しました。貴機構が本当に道民の信頼を得ようと考えているのか疑問を持たざるを得ません。
そもそも北海道には核のごみを持ち込ませないという道民の意思を表した「特定放射性廃棄物に関する北海道条例」があり、鈴木直道北海道知事も道条例を根拠に一貫して調査反対の意思を表してきました。それにもかかわらず貴機構が寿都町と神恵内村で文献調査を開始したことに私たち道民は強く憤っています。この間、私たち道民は文献調査についての意見を求められることが一切ありませんでした。多くの道民が、文献調査報告書説明会において初めて、この文献調査についての疑問を、直接貴機構に問うことができると考えたことは、多くの道民が厳冬期で凍結して滑りやすい道を歩き各会場に参加したことからも明らかです。それに対し貴機構が道民との双方向的なコミュニケーションを頭から拒否する態度をとりつづけていることに強く抗議し、下記の5点についての実行を要請します。
記
- 説明会において口頭での質問時間を確保すること。その際、十分な時間を確保し、再質問を可能とすること。
- 参加者があらかじめ、質問を書いて持参したものの提出を認めること。
- これまで説明会で道民から出された質問に、手を加えることなくそのまま公表し、それに対する回答を行うこと。質問を転記せずにそのままPDF等の形にしたものも併せて公表し、質問が改変されていないことを誰でも確認できるようにすること。北海道知事と寿都町長、神恵内村長に提出する質問も同様の形とすること。
- 3の公表を速やかに行うこと。遅くとも2025年1月8日までに貴機構ホームページ及びこれまで説明会が行われた自治体、及びこれから説明会が行われる自治体の庁舎において誰でも見ることができるようにすること。
- 説明会場では「最終処分法施行規則」(説明会等の開催)第九条5一 「要約書を求めに応じて提供することを周知した後、要約書を求めに応じて提供すること」に則り、文献調査報告書の要約書を参加者に配布すること。
以上
なお、ご多忙とは存じますが、以上の要請へのご回答を同封の返信用封筒かメール添付にて2025年1月6日までにご送付いただきたくお願い致します。
参考リンク
市民団体 NUMOなどに口頭質問認めるよう要請文提出 「核のごみ」最終処分場選定巡る報告書の説明会巡り|HTB北海道ニュース
核ごみ反対の市民団体 NUMOの説明会運営巡り抗議文:北海道新聞デジタル
文献調査説明会に不満の声 NUMO、口頭質問受け付けず 札幌:北海道新聞デジタル