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2025/4/12 北電泊原発の「審査書案」を発表せず審査をやり直すことを求める要請文を提出

 2025年4月12日付で、原子力規制委員会に対し、北海道電力泊原子力発電所の「審査書案」を発表せず審査をやり直すことを要請する文書を提出しました。

 

原子力規制委員会への要請文


 2025年4月12日

原子力規制委員会

委員長 山中伸介様

泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会
代表 市川守弘

 

北海道電力泊原子力発電所の「審査書案」を発表せず、審査をやり直すことを要請します

 

 私たち「泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会」では、様々な分野で活動している約70団体が、北海道の豊かな大地と子供たちの未来を守るためにともに活動しています。

 北海道電力は3月14日に泊原発3号機の「原子炉設置変更許可申請」の補正書を貴委員会に提出し、貴委員会が事実上の合格にあたる「審査書案」を4月下旬にも発表するのではないかと報道されています(「北海道新聞」2025年3月15日)。

 私たちは泊原発の審査においては敷地内断層、火山に関しても、北海道電力の主張に問題があり、貴委員会における審査は十分ではないと考えていますが、特に昨年1月1日の能登半島地震により認識されるようになった海底活断層についての新知見は、今回の審査に全く活かされておらず、私たちは今の段階で北海道電力の補正書案が通ることはあってはならないと考えます。このまま泊原発再稼働への道が開かれることは、私たち北海道民の命と生活を大きな危険にさらすことです。

 

 昨年1月の能登半島地震では想定を大幅に上回る150キロの範囲で断層が連動し甚大な被害を生みました。変動地形学的手法により、能登半島沖において断層が連動する可能性が従来から指摘されていたことから、海底地形と海岸の変動地形を考慮した変動地形学的手法による活断層の認定の重要性が改めて認識されましたが、泊原発の審査においては、この認識が活かされていません。積丹半島沿岸部の隆起について、北海道電力は「時間をかけて土地がゆっくりと盛り上がった」と主張していました。しかし貴委員会から「地震による隆起の可能性は捨てきれない」と指摘され、半島の北西沖に海底活断層があると仮定。その長さは32キロと想定しました。しかし、変動地形学の学者らの見解〈渡辺・中田 ・鈴木(2013)ほか〉によれば、海底地形から判読される海底活断層の長さは70キロ~100キロとなります。

 北海道電力は、海底活断層の長さ32キロを根拠に、地震動による地形変化として1.28メートルの隆起と、5メートルの沈下を予想しており、原子力規制庁の担当者も「原子炉建屋など重要施設は固い岩盤の上にあり、地盤の変化で影響が出ないことを確認している」と答えていますが(「北海道新聞」2024年12月21日)、重要施設の多くが埋立地の上に建てられており、配管などが破壊される危険があります。70キロ~100キロの活断層が動いたときには北海道電力の予想の数倍の隆起、沈下が予想され、その影響は甚大なものになります。能登半島地震を経験しながら、変動地形学の学者の見解を容れないのは、安全側に立った態度でも、科学的態度でもありません。

 

 以上に述べたように、泊原発の安全性について、今の段階で結論を出すことは到底できないと私たちは考えます。なお、貴委員会は泊方式として、泊原発の審査がスムースに進むように配慮を行いましたが、自力で審査に臨めない電力会社に、原発を稼働させ、万一の事故に対応する能力があるのでしょうか。また、貴委員会は北海道電力の申し出を受けて、審査を先に進めるために核燃料を積んだ船が出入りする新港を審査対象から外してしまいました。安全性よりも審査を進めることを優先する姿勢は、「国民の安全を最優先に、原子力の安全管理を立て直し、真の安全文化を確立」するという貴委員会の組織理念に背くものではないでしょうか。

 

 貴委員会の審査には、原発の事故により被害を受けることになる私たち北海道民の一人一人の命と生活がかかっています。私たちは貴委員会に「審査書案」を発表せず、敷地内断層、火山、新港の安全性も含め、泊原発の審査をやり直すことを要請します。

 

以上