2024年7月12日、経済産業省に対し抗議文「地層処分技術WGにおいて科学的な審議を十分に深めることなく寿都町・神恵内村の文献調査報告書案を承認したことに対し、北海道民の立場から抗議します」を提出しました。
2024年7月12日
経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部放射性廃棄物対策課
課長 横手 広樹 様
泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会
代表 市川守弘
地層処分技術WGにおいて科学的な審議を十分に深めることなく寿都町・神恵内村の
文献調査報告書案を承認したことに対し、北海道民の立場から抗議します
寿都町・神恵内村における文献調査報告書(案)の審議は北海道民にとって、北海道の未来を決める大変重要な審議です。しかし、審議を見守っていた私たちは、地層処分技術WG(以下WG)での寿都・神恵内村での文献調査報告書(案)の審議の進め方に多くの疑問を抱き、これまで2通の要請文を貴職に送付しました。しかし私たちの意見がとりあげられることはなく、7月4日の第5回WGにおいて細かな表現上の修正を行ったのみで文献調査報告書(案)が承認されたことにたいし、怒りをもって抗議します。
300人以上の地学専門家による声明「世界最大級の変動帯の日本に、地層処分の適地はない」の呼びかけ人である岡村聡氏、小野有五氏、赤井純治氏が3月29日の第2回会合に参考人として出席することを知ったとき、私たちはWGにおける会合が科学的で多様な意見が交わされる審議の場となることを期待しました。この第2回会合における審議は、参考人の発言時間が大きく制限されているなど不十分なものでしたが、にもかかわらず多くの委員から地質等に関する地元の学者の見解には耳を傾けていくべきであるという意見が出されました。しかしその後の審議において、参考人の意見が活かされ報告書案が修正されることは全くありませんでした。これでは経産省WG事務局は「多様な意見を聴きました」という形にしたかっただけで、科学的で真摯な議論など行う気はなかったのだと断定せざるを得ません。
また地元の地質をよく知る参考人からの意見をうけWGの委員から、黒松内低地断層帯について「海域も含めて、その線上は概要調査地区から外すことが望ましい」等本質的な部分において文献調査報告書の修正を求める意見がありました。また、多くの委員から、寿都町における文献調査の対象となった地域全域が概要調査の対象となっていること等に対する疑問が述べられてきており「駄目な場所は早めに駄目と言える建て付けに出来ないか」といった意見が出されました。しかしNUMOは細かい表現などの修正には応じるものの、「駄目な場所」は「留意事項」として概要調査で調べるという姿勢を崩すことはありませんでした。
4日のWGで提示された修正案でNUMOは、これらの留意事項について、概要調査でも安全性が判明しない場合は最終処分地とその周辺を含む「対象地層等」から除外するという見解を盛り込みましたが、安全性が判明しない場合をどう判断するかの基準が明示されていない以上、とうてい鵜呑みにすることはできません。
このように、一度文献調査を受け入れた地域の調査は、何が何でも概要調査まで進めるという経産省とNUMOの姿勢は、住民の安全・安心への配慮からかけ離れており、私たち北海道民をいっそう不安にさせるものです。もとより北海道には「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」があり、道知事もこれを根拠に調査反対の意思を表明しています。にもかかわらず経産省とNUMOが北海道の意思を尊重することなく文献調査を行い、さらに今回、地層処分技術WGにおいて科学的な審議を十分に深めることなく寿都町・神恵内村の文献調査報告書案を承認したことに対し、北海道民の立場から強く抗議します。
以上
参考記事
2024/6/11「寿都町・神恵内村での文献調査報告書(案)の審議のあり方についての要請」を提出
2024/4/22「地層処分技術WGにおける審議のあり方についての要望」を提出
参考リンク
特定放射性廃棄物小委員会 地層処分技術ワーキンググループ (METI/経済産業省)
参考動画
総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会特定放射性廃棄物小委員会地層処分技術WG(第5回)
総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会特定放射性廃棄物小委員会地層処分技術WG(第4回)
総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会特定放射性廃棄物小委員会地層処分技術WG(第3回)
総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会特定放射性廃棄物小委員会地層処分技術WG(第2回)